 |
■プロフィール■
ComicStudioのレビューや「あなたもマンガが描ける ComicStudio公式ガイド」 (アスキー・刊)などの執筆も手がける、小穴マンガを…もといコアなマンガを描 き続けるマンガ描き。「ComicStudio Ver.1.0」発売時に「これからはデジタル だ!」と手持ちのアナログ画材を全て処分。男気あふれる生き様だが、本人曰く、 「見た目はオヤヂ、心はヲトメ」 |
その1:イントロダクション
じっくり触ってください
コミスタがメジャーバージョンアップするので、記事を書いてくれとセルシスから連絡があった。
おぉ、もうそんな季節なのか。ちょっとワクワクしながらコミスタフェアリーK子嬢(毎度登場しているが、
最古参のコミスタ使いにしてまだ新婚若妻のコミスタフェアリーだ)にComicStudioVer.3の詳細を聞いた。
- K子嬢 「じっくり触ってください。ソフトは早めに送りますから。」
- わし 「いや、あの、売りの新機能とかは…」
- K子嬢 「今電話で話していいんですか?」
- わし 「いや、そのために電話したんやけど…」
- K子嬢 「バージョンアップの機能一覧で334行ほど機能が載ってるんですけど全部口頭で説明します?」
- わし 「そのファイル、メールで送って…」
なんじゃそりゃあ。そんなにたくさん覚えられるわけがないって。さっぱり要領を得ないままかくしてComicStudioVer.3は我が家に届いた。
早速触ってみる
コミスタもとうとう3かあ…。ちょっと感慨に耽(ふけ)りながらソフトをインストールしてComicStudio Ver.3を立ち上げてみる。
画面はVer2と大きな差がない。いや、細かくアイコンなどがWindowsXP対応のスタイリッシュなものに変更されているし、
パレットも追加・変更されているものもある。でも全体の印象としてはVer2のままなのだ。なにがどう変わったのか、
画面上だけで判るのはパレットが若干変更、追加されているところくらいだ。
ひとまず1ページ漫画を描いてみることにしてみた。K子嬢が「とにかくじっくり、じっくり触ってください」と言っていたので
じっくり触ってみることにしよう。じっくりじっくり…あれ?じっくりじっくり…ほぉ〜。
じっくりじっくり…ぉお〜っ!!思わず口から漏れたのはこんな声だ。
メジャーバージョンアップ
ComicSstudio Ver.3、今回のメジャーバージョンアップで大きな変革点は
- 各レイヤーの設定項目を素早く操作できるプロパティパレットの新設。
- ラスターで描いた絵やスキャナで読み込んだ原稿をベクトル化する、ラスターベクター変換機能。
- 好きなパターンを作成して、ペン先の形状にできるパターンブラシツール。
- 編集にまつわる機能の手順を登録して、ワンアクションで再生できるアクション機能。
- 手書き原稿派に朗報な、複数の原稿用紙を同じ設定で読み込める連続スキャン機能。
・・・等の新機能群と
- ベクターレイヤーの機能向上
- 一般定規の操作性の向上
- 涙のちょちょ切れるパース定規の操作性の向上
- 見開きページの設定がより実用的に。
- ラスターの仕上げグレー機能
・・・等などの操作向上された機能群に分けられる。もうこのまま描き続けるとえらいことになるので、以下割愛。次回以降詳しく紹介していきたいと思う。
確かに見た目はあまり変化がない。でも、ペンを走らせてみたり、選択範囲を指定したり、定規を使ったり画像を編集したり…。
全ての行程で何らかのブラッシュアップと、機能の追加がなされている。
なるほど、これがComicStudio Ver.3の答えのひとつなようだ。Ver.2で新機能や新概念をもたらしたComicStudioは Ver.3でそれらの機能をより使いやすくしようというスタンスが伺える。
漫画を作成するほぼ全ての行程で細やかに、それでも確かに機能群が使いやすく変化しているのだ。
こりゃあ確かに全部口で説明してたらきりがない。見た目はVer.2と印象が変わらないのに、その中身は確実にメジャーバージョンアップしていたのだ。
まずはペンの描き味
コミスタでペン入れをする筆者にとって一番気になるのはペン周り。原稿作成の中でもかなり重要なポイントになる。
このペンの描き味、コミスタならではの機能として20段階の補正機能がある。多少ぶれてしまったストロークでも補正によって滑らかな線が実現できる。
補正のクセをつかんでしまうとなかなか手放せない機能だ。今回のバージョンアップで、その補正の働き方がさらに気持ちよくなった。
従来の補正機能では、線を滑らかにするという目的のもと、どんなにカクカクの線を引きたくても強制的に線が補正されていた。
これが Ver.3ではペンを折り返した箇所はそのまま鋭角に、滑らかに弾きたいと思う箇所は滑らかに線が補正されるようになったのだ。
■しっくりくる
 |
普段、補正を描けるときは[5]〜[7]くらいでペンを走らせている。Ver.2ではストロークが長く滑らかな線を引くにはちょうど良かったのだが、
角を出したい部分も「滑らか」に補正されて、思った通りの線を描くには補正をOFFにしなくてはならなかった。 |
Ver.3で「折り返し角」を残す形の補正に変更されたことで、結構ポイントポイントで「しっくりくる」ラインをとれるようになったのだ。
わかりにくい言い方かもしれないので、簡単に言ってしまうと、「描き手が気持ちよい」と感じる補正になった。ペンタブレットで入力するもどかしさを
少しでも和らげ、なおかつ「気持ちよい」と思えるものにするというのは、プログラムのソースを事務的に描くだけでは実現できない。
煩雑な調整が必要なものだ。
漫画やイラストをペンタブレットで描くためには、やっぱりペンの描き味が良くなければなんにもならない。
この基本的な部分にキチンと時間(もちろんお金)を割いて開発を行った姿勢には素直に敬意を表したいと思う。
だってどんなに時間と金をかけても「描き味」はカタログには載らないスペックなのだから。効果的な宣伝文句にもあまりならない感覚的なことだ。
しかしこれは使ってくれるユーザーに開発者たちが真正面を向いている証拠でもある。
ペンの機能に限らず、ぱっと見の印象は変わっていなくても、使っている人ほど思わす「おぉ〜、ええ感じやんけ」と膝を叩いてしまうような変化が
確実に現れている。そして、こういった「使っている人が嬉しいと思う」変化が隅々にまで施され、その積み重なりがソフト全体を「しっくりくる」ものにしているのだ。
確かにK子嬢が「じっくり触ってください」と言ったわけだ。外見や触りだけ見ていたら、この良さは絶対に判らないだろう。
小さな、大変革
そして、その小さいけれど大変革を施された機能は、すべてソフトをスムーズに使えるようにするためのもの。ひいては描き手が原稿を作成する時に、
できるだけソフトが邪魔をしないようにするための配慮なのだ。ひとまずは今回の連載では、新機能を羅列するだけではなく、これらの「しっくりくる」
バージョンアップ内容を紹介していけたら、と思う。
ComicStudio Ver.3はすぐに判る機能の追加、変更だけでなく、使えば使うほどその変化の良さが判ってくるバージョンアップとなっている。
ということで今回の「電脳漫画魂」のサブタイトルは「アタリメ」なのである。…せ、センスが古いって?まあ、気にせず行こう。
というわけで、次回からは各機能の強化ポイントをそれぞれ説明していく。
その2へ続く
|