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アプリUXデザイナー


新井 智裕 Tomohiro Arai

―セルシス入社のきっかけを教えてください
子どもの頃から何かを作ったり絵を描くことが好きでした。学生時代からSAI、Photoshop、そしてCLIP STUDIO PAINTといった、複数のペイントアプリを使用しており、「ペイントアプリの使用経験を活かして貢献できることがあるのでは」と考え、セルシスに入社しました。
 
―どのような業務を担当していますか?
CLIP STUDIOシリーズのUI(ユーザーインターフェイス)/ UX(ユーザーエクスペリエンス)の仕様改善を行うUXチームの、チームリーダーを務めています。

UXチームでは、SNSやお問い合わせでいただくユーザーの声をピックアップしたり、開発部門からの新機能に関する仕様検討の依頼を受け、ユーザー目線で何が大事なのか、どのような仕様であれば、より快適に楽しんで創作活動を行っていただけるのかをチーム内で議論します。また、既存の機能についても、さらなる改善提案や、ユーザーの要望や世の中のトレンドにあわせ、次にどのような機能を載せるかといった提案も行っています。

―UI/UXとはどのようなことですか?
UIとは「ユーザーと製品(またはサービス)との接点」のことを指します。CLIP STUDIO PAINTでは、ブラシ選択画面、ボタン、スライダーやカラーサークルなど、視界に入るほぼ全てのものがUIです。

UXは「ユーザー体験」のことで、一般的には「知ってから忘れるまでの全ての体験」を指します。その中でも現在、UXチームが主な検討範囲としているのは、CLIP STUDIO PAINTの新機能などを知り、それを活用して作品を作り、SNSなどに投稿して楽しむといったような一連の体験についてです。この「体験」の一部として、ユーザーとの接点となる「UI」が深く関わってきます。UI/UXはアプリの使いやすさに直結し、ユーザーの満足度につながる部分になるため重視しています。



―UXチームにはどのような方がいらっしゃいますか?
チームメンバーの全員が、元々はCLIP STUDIO PAINTの機能を検証するテストスタッフです。CLIP STUDIO PAINTは、機能が正しく動作するかはもちろん、ユーザーにとって使いやすい仕様になっているか、ユーザー目線での操作や動作確認を積極的に行っております。UXチームは、開発部門とより密にコミュニケーションしながら、専門的に仕様改善を行うことを目的に結成されました。そのため、ユーザー目線の要望や仕様改善のアイデアが出せるようなメンバーで構成されています。現在は少数精鋭のチームですが、今後さらにUI/UXに注力していくにあたり、メンバーを募集しています。

―CLIP STUDIO PAINTのUI/UXを検討するにあたり、どのようなことを心掛けていますか?
CLIP STUDIO PAINTは初心者の方からプロクリエイターまで幅広くお使いいただいていますので、アプリの熟練度はもちろん、ユーザーの年齢や性格、使用しているデバイスやリテラシーの違いなど、多くの要素を考慮して検討しています。熟練者の目線では問題のない仕様でも、初心者の目線では理解が難しくなっているかもしれないなど、あらゆる立場を想定して考えるようにしています。



―UXチームで印象に残っているUI/UXの改善を教えてください
CLIP STUDIO PAINTver.1.9.5アップデートでの大幅なUI刷新が、最も印象に残っています。CLIP STUDIO PAINTの提供開始当初から大きな変更がなかった、立体感のあるツールアイコンやパレットといったUIが、ver.1.9.5のアップデートでフラットなUIへ変更となりました。このUIの刷新については、良い変化に感じた人とそう思わなかった人とで半分ずつに分かれるような結果となり、「皆が良いと思う仕様とは何か」を深く考えるきっかけになりました。


左:旧UI 右:新UI
保存アイコンが、フロッピーディスクの形状から、ハードディスクに矢印の形状に刷新したこともSNSなどで話題に。


時代やトレンドに併せた大きな変化は今後も必ず来ますので、 より多くの人にCLIP STUDIO PAINTで創作活動を楽しんでいただき、使い続けて頂けるような変化の仕方を提案していきたいと思います。

―UXチームにはどんな人が向いていますか?
UI/UXについての知識も重要ではありますが、普段から色々なアプリを触っていて、「こうだったらもっと使いやすいのに」とよく考え、試行錯誤するような方が向いていると思います。

またそれ以上に「どうしたら使いやすくなるのか」を分析し理論立てて伝えることが重要視されます。ユーザーの声は感覚的な要素も含まれますので、それを明確にして開発に届ける過程で分析力が非常に重要になってきます。

―業務でのやりがいや、リリース後のユーザーの反響で嬉しかったことはありますか?
CLIP STUDIO PAINTはカスタマイズ性の高さも大きな魅力だと思いますが、その分、自由度を保ったまま、エントリーユーザーからプロクリエイターまで、誰にとっても使いやすいUI/UXを考えることは難易度が高く課題でもあり、やりがいに感じています。

また、仕様に関する自身の提案が形になり、それがユーザーの皆さんに喜ばれた時はやはり嬉しいです。尊敬する作家さんの力になれた、あの作品が生まれる過程の一端になれた、という気持ちになれることは、大きなやりがいです。

リリース後のユーザーの反響では、大きな新規実装に対する声も嬉しいですが、軽微な機能改修に対する反響も嬉しいです。微妙に使いづらいといったちょっとした部分は、自分たちが声を挙げないと目を向けられづらいという事もありますので、そういった細かな改修に対する喜びの声をいただけると、しっかりピックアップして良かったなと嬉しくなりますね。

―今後の取り組み、抱負などを聞かせてください
UI/UXの改善のために、UXチームだけではなく、より多くの人の意見が必要です。UXチームの持つ知見をよりオープンにしていき、社内全体でUI/UXについて検討できるような環境にしていきたいです。

また、CLIP STUDIO PAINTは多言語に対応しているので、言語はもちろん、文化の違いについても考慮が必要です。ユーザーのグローバル化が進んでいますので、今後は海外の文化にも寄り添ったUI/UXの検討をし、より世界中のクリエイターに使っていただけるアプリにしていけたらと思います。

これから生まれる作品のためにも、最初の入り口で止まってしまうことがないよう、更に多くの人がCLIP STUDIO PAINTで気軽に創作を始め、続けられるようなUI/UXを提案していきたいです。



*掲載内容は制作当時の内容です。

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